WBSわくわくインタビュー 向井英明さん
向井 秀明さん
2012年 早稲田-ナンヤン ダブルMBA(大滝ゼミ)修了
現在大手EC企業勤務
こんにちは、WBS稲門会幹事の芦澤です。この「わくわくインタビュー」は、WBSの「公式サイトには載らない真の姿」を皆様にお伝えすることを目指した企画です。第一回目として、現在大手EV企業で活躍されている向井さんに、2012年に修了された、日本とシンガポールの2つの国のMBAコースで学んで学位を取得することができる、早稲田-ナンヤン ダブルMBAコースの実態をお伺いしました
コースの概要
先生や他の学生と緊密な関係を築けるゼミは海外にはないいいシステム
――本日はよろしくお願いします。まず、早稲田-ナンヤン ダブルMBAコースにゼミという制度はあるのですか
あります。おおかたの海外のビジネススクールにはゼミがないのですが、早稲田の部分にゼミがあるのが、早稲田-ナンヤンの、ビジネススクールとしての特徴ですね。しかしゼミの先生が既に決まっていて、選ぶことができなかったのは事前の期待値を下回った部分です
――論文はあるのですか。その決まっていたゼミの先生の研究内容に沿ったものじゃないといけないのでしょうか
日本の修士号に必要なので、ペーパーは書きます。分野に応じて別のサポートの先生にお願いするので、論文のテーマは自由です。元々海外でMBAをという志望だったので、ゼミという考えはありませんでしたが、実際に目にするといいシステムだなと思います。ここまで学生と先生間や、学生間の関係が密であるというのは海外のビジネススクールではなかなかありませんね
――海外志望ということでしたが、国はどこでもよかったのですか
海外の人材と侃侃諤諤やっても負けないぞ、というグローバル人材にあこがれていて、特に国の縛りはありませんでした。最終的にイギリスのスクールとこの早稲田-ナンヤンからオファーをいただき、アジアがこれから伸びるであろうことと、アジアでMBAをとった人もまだあまりいないであろう、ということで選びました。例えば会社でシンガポールビジネスを立ち上げるプロジェクトがあったら、自分が選ばれるだろうなと
――ナンヤン理工大のビジネススクールはどういう特徴があるのですか。例えば、シンガポール国立大のMBAとどう違うのでしょうか
理工大というとエンジニア向けのようですが、大学には人文系もあり、総合系のコース。MITのMBAがエンジニアだけに寄っていないのと同じです。シンガポール国立大のMBAとは東大と京大のような関係で、ここ10年だと、MBAランキングではナンヤンの8勝2敗くらいです。日本人は大学名(学部)で選ぶ傾向もありますが、基本的にこのランキングで勝っているほうにいい学生が来ます
授業の様子
「お利口」な人が多いけど、「お利口」な人が、仕事ができるとは限らない
――普段の授業の数はどのくらいあるのですか
基本的に月曜から金曜まで毎日授業があります。一つの授業が3時間で、午前だけの日もあれば、午前午後とある日もあります。授業がないときはひたすら課題。学習環境は事前の想定よりもよかったです。図書館は5、6個あるし、周りの皆も死ぬほど勉強するし
――学生は、どの国から来ている人が多かったですか
インドかな。インド・中国・シンガポールでそれぞれ20%くらいでした。出身国による性格の違いが非常に大きくて、この国の学生はハッタリばかりだなあとか(笑)、それを知るのが海外MBA行きたかった理由の一つです。密なコミュニケーションをとらないと分からないところもあると思ったので
――入試の難易度はどのくらいなのですか
結構高いみたいですが、そもそもGMAT(注:ビジネススクール志望者向け適性テスト)の点数があるので、そこでまず選抜されます。そのためかいわゆる「お利口」な人が多いけど、でも「お利口」な人が、仕事ができるとは限らないと。WBS(注:早稲田大学ビジネススクール)のほうが、仕事ができる人がいる印象です。授業での発言も、的を射ているかなと
――WBSの学生と交流の機会はありましたか
WBSで学ぶ期間が短く、WBSの学生との交流があまりできませんでしたが、いまは半年間はいるようになっているようです。自分にはWBSはすごく価値があると考えています。日本人にとって日本人とのネットワークほど価値があるものはなくて、すごい日本の著名人とのネットワークを得られるというのは、海外のビジネススクールではできません。海外では教授との距離は遠いし、クラスメートは終了後世界中に散らばってしまう。同じ国のあらゆる企業に知り合いがいるというのは価値です。早稲田-ナンヤンでは、やりたかった海外MBAと、国内ネットワークの両方が得られました
――WBSの授業はどうでしたか
WBSは、日本人に刺さるすごい人のお話がたくさん聞ける場所でした。海外では、よく知らない会社の社長のトークといわれても、ふーんとなってしまうので(笑)。日本の会社だと背景はだいたい分かりますし
――日本の会社のケースだと、WBSでは結構その話の当事者が学生として参加していたりしていますね。実際はこういう感じでしたよ、みたいな
ありますよね。そういうのはすごい宝です。一方海外MBAでも日本人学生は重宝されていて、日本の会社のケースの場合発言を求められることが多かったです。東南アジアや中国・インドには当時まだケースになるような会社がほとんどなかったので
英語で学ぶということ
英語は最初のオリエンテーションで、何もわからなくて絶望しました
――英語では苦労しませんでしたか
とてもしました。死ぬかと思いました。最初のオリエンテーションで、何をしろといわれているのかもわからなくて、絶望しました(笑)。でもコースの経験者のブログを見て、いずれ何とかなると書いてあったのを読んで、勇気づけられました。入学前には一ヶ月ほど、MBA生向けの英語の授業がありました。(入学条件の)TOEFL100点じゃ使い物にならないというので、英語での発表の仕方とかレポートの書き方とかを教えてくれて、あれがなかったらやばかったです(笑)。あとここで、「英語ができない人」同士のネットワークもできました。そんなこんなで一学期の後半にはなんとかなるかなという感じになりました
――これからこのコースに入学する人は英語が不安な人も多いと思いますが、最低これくらいあれば、というのはありますか
合格の基準がTOEFL100点なので、これを超えていればなんとかなります。あとは追い込まれれば、耳と脳がくっついてきます。テストの解答用紙が白紙20枚、全部フリー記述、みたいな感じですから(笑)
――母国語で学んだほうが身につくのではという考えもありますが、いかがですか
教科書はぼくも日本語のものを使いました。分厚い英語の本がテキストで、それは課題のために読みましたが、最初の理解は日本語で腹落ちさせてから。そうじゃないと、内容がわからないのか英語がわからないのかもわからなくなるので。教科書を日本から持っていって、あとアマゾンでも日本の本を買いました
オフタイム
国籍や、いかに優秀かで、オフタイムに時間がさけるかどうかが決まる
――オフタイムはあるのですか。授業後みんなで飲みに行く、とか
国籍や、いかに優秀かで、そこに時間がさけるかどうかが決まります。自分みたいにイッパイイッパイの学生はそういう時間がないのですが、英語を母国語にする人はそういう時間をさいていましたね。あとヨーロッパ人に多くいる、修了さえできれば成績はどうでもいいという人たちは、アジアじゅう長期旅行に行きまくっていました
――学内恋愛はあるのですか
めちゃくちゃありますよ。結婚した人もいますし。大学院の寮にいるので、MBA以外の大学院生とつながったりもします。自分も彼女ができましたよ
――WBSの稲門会でも、婚活イベントやろうかなんて話もしています(笑)
海外MBAだと、(帰国後)企画やろうとか、そういう発想がそもそもないです。どんなに大きいビジネススクールでも、日本にいるアルムナイの数は二桁程度。WBSは数千、この指とまれとやったらすぐ集まるのがいいですね
――入学前にこれをしておけばよかったというのはありますか
在学中できなかったのが、いろいろな人とオフタイムを楽しむこと。例えば会計を腹落ちするくらい事前に勉強していれば、夜9時から飲みに行くこともできたかもしれません。当時は勉強時間を犠牲にしてまで、と思っていましたが、そうすればいまいろいろな国に行ったとき泊めてもらうような友達ができて、ホテル代が浮いたなと(笑)
――労働市場で自分の価値が上がったと思いますか
思いますね。自分は、今は採用側ですが、海外でMBAをとった人というのは、TOEIC900点とは違う外国人とのコミュニケーション能力があると思います。あとあれだけの課題やTOEFL・GMATをやって、上向きで根性がある人なのだろうなとか、基礎的な保証が得られる。それプラス、なにかあったときに自分のネットワークで解決してくれることも期待できる。国内のMBAでも、マネジメント側の視点で物事を見てくれることを期待できますね
WBSの学生もよく知らない早稲田-ナンヤンの実態を語って頂きました。海外MBAと国内MBAのいいとこ取りということで、是非興味ある方は目指されてみてはいかがでしょうか
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